当農園は3箇所の農地をお借りしておりますが、どれもまだ借りて2年経っておりません。

将来的には地力だけで野菜が育つようになる「無肥料・不耕起栽培」を目指しておりますが、現段階ではまだできる段階ではありませんので、土壌検査を受けたり野菜の様子を見ながら、不足している養分を投入しております。

このページでは、当農園で使っている資材について記載しております。

1.当農園での農産物の表記について

農地を借りて以降、自らで農薬・化学肥料は使っていません。

しかしながら、借りて2年経っていないために土壌に過去の成分が残っている可能性があること、隣接する農地は慣行農法であること、購入苗や種子には農薬が使用されているものを使っている場合があること(後述)、という理由から、完全な農薬・化学肥料不使用とは言えません。

「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に基づき、「農薬・化学肥料:栽培期間中不使用」と表記しております。

2.外部から投入している資材について

理想としては、農業の自然循環機能を活かして外部から資材を投入することなく作物を育てたいとは思いますが、借りて間もない畑ではそれでは何も育ちませんので、以下の資材を外部から投入しております。

○米ヌカ

自宅の精米器から出たものと、ヌカを自由に持ち帰ってOKのコイン精米機からもらうものを使用しております。

米ヌカそのものを投入、または、ボカシ肥(後述)の材料として使用しております。

○油カス

就農してすぐに有機JASの講習会を受けました。その際「油カスは溶剤を使って油を抽出しているものがあり、そういうものは化学的に合成された物質が添加されていることになるから有機JASに適合しないから注意が必要」「油カスの原料は組み替えDNA技術が用いられていない原料でなくてはならない」と教わりました。

当農園では、有機JASの認証取得は、事務負荷、費用、様々な制約(米ヌカをコイン精米機からもらってはいけない等)によって現時点では認証を受ける予定はありませんが、使用する資材については「有機農産物JAS別表1適合資材」と記載されたものを使うようにしています。例えば下の写真のようなものです。

なお、有機JAS認証を受ける場合、正式には資材メーカーから「適合証明書」を取り寄せ、自分自身と認証機関にて「確かに適合している」ことを確認しなければなりませんが、そこまではしておりません。

油カスそのものを投入する場合もありますが、ほとんどはボカシ肥の材料として使用しております。

○石灰

苦土石灰は土壌微生物を殺してしまうため、代わってこちらの「畑のカルシウム」を使っていました。こちらはメーカーより有機JASの「適合証明書」も取り寄せしております。

しかしその後、高価な資材ですので規定量よりも少なく使っていたからか、土地を借りた時点で圧倒的に不足していたと推測される量を補うには至らず、土壌検査でカルシウムとマグネシウムがかなり不足している状態であることが分かりました。

安価でマグネシウムとカルシウムを補え、土を硬くしないものがないかと探して、下の「苦土セルカ2号」を農協から紹介いただきました。これは農協の担当者に有機JAS適合資材であると確認しています。(油カスのところでも記載しましたが、本来は自分でメーカーに確認しないといけないところですが、そこまではしておりません。)

マグネシウムの量が安定してくれば、今後は野菜を美味しくしてくれるという牡蠣殻石灰を使ってみようと考えています。

○もみ殻・もみ殻くん炭

就農する前に国際的なオーガニック認証をいくつも取得されている農園で研修させてもらった際、もみ殻くん炭は非常に優れた資材だから是非とも活用しなさい、自分で簡単に作れるから、と教えていただきました。

土壌の団粒構造を促してフカフカにしてくれる、酸性土壌のPH調整に良い、土壌の病原菌の増殖を防ぐ、等です。ありがたいことにお隣の農家さんからたくさんもみ殻を分けていただき、自家製のもみ殻くん炭を作って活用しております。足りなくなった場合はJAで購入しております。

もみ殻そのものを土が硬いところや酸性に傾いている場合などに投入したり、ボカシ肥の材料として使用しております。

また、くん炭ではなく、もみ殻を土をフカフカにするためや、マルチング資材として使用する場合もあります。

もみ殻くん炭を作る様子

○魚カス

こちらはインターネットで取り寄せたものです。有機JASの「適合証明書」も取り寄せ済みです。

ボカシ肥の材料として使っております。

○微生物資材

農地を借りて一番最初に「ラクトバチルス」を一度だけ使いました。これは有機JASの「適合証明書」も取り寄せて確認したものです。

畑には土着菌がいるから微生物資材は使う必要がないという意見も聞いたことがありますが、借りたばかりの畑は土がカチカチで白っぽく、生えている雑草も痩せ土に生えるものばかりで、まずは微生物を増やさないとと考えて投入しました。

また、ボカシ肥を作成する際にはEM菌の微生物資材である「EM1」を使っています。

EM菌は、研修させてもらったオーガニック農園で積極的に使っておられてとても美味しい野菜が育っていましたので、当農園でも使うことにしました。仕込んだボカシ肥もうまく発酵して良い肥料ができましたので、これからも使っていくつもりです。

3.ボカシ肥・液肥について

上記に挙げたうち、以下の材料を使って、冬にボカシ肥を仕込みました。

米ヌカ、油カス、魚カス、もみ殻くん炭、EM1、糖蜜

発酵させたものを年間を通して使い、また今年も冬に仕込む予定です。元肥、追肥として、不必要な時は使わず、野菜の様子を見ながら使っています。

また、生育状態が悪い時は、ピンチヒッター的に「サカタ液肥GB」を使用しています。

こちらも「有機JAS規格別表1適合資材」と記載があり、化学肥料ではありません。

4.タネ・苗について

○「種子消毒」について

タネには農薬処理された「種子消毒」されたものがあります。

当農園では、できる限り「種子消毒」されていないものを選ぶようにしていますが、インターネットでタネを買う場合は手元に届いて初めて種子消毒がなされたものだと分かることもあり、種子消毒有りのタネを使っている場合があります。

○「育苗培土」について

育苗に使っている土は、以下のものです。いずれも有機JAS適合資材と「適合証明書」を取り寄せて確認済みです。

種まき用EM有機培土

ポット用EM有機培土

○「購入苗」について

当農園ではできる限り購入苗を使わず、タネから育てるようにしておりますが、タネの入手が困難な一部のハーブや、登録品種で自家増殖が認められないサツマイモの苗等については、苗を購入して栽培しております。

その際もできる限り農薬不使用のものを選ぶようにはしておりますが、農薬が使用されたものしか手に入らない場合もあり、全てが農薬不使用のものではございません。

5.当農園で使用していない資材

できる限り環境に負荷をかけないよう、除草剤、土壌消毒剤、動物性堆肥は使っておりません。

また、循環型農業として、循環できないものはできるだけ使わないようにしたいと考え、ビニールマルチも使っておりません。