このページでは、当農園でどのような野菜を育てているかを記載しております。
1.これまで育てた野菜の一例
例えばこのような野菜を育てています
これらは全て「固定種」の野菜です。
2.主に固定種の野菜を育てています
昨今は野菜の品種改良が進み、一つの野菜でもたくさんの品種が存在します。
野菜の品種改良は、病気に強くて大量生産ができ、均一の品質で流通に向くように改良されていったようで、今ではスーパーに並んでいる野菜のほとんどが交配種(以下、F1と書きます)のものになっているようです。
当農園では、F1ではなく、固定種の野菜を中心に育てています。
○なぜ固定種を育てるか?
まず第一に、タネの重要さを意識しているからです。
F1の野菜は、タネを採って育てても同じ形質の野菜は育ちませんので、一代限りしか使えません。よって、種まきのたびにタネを購入することになります。
タネは食糧生産の源ですので、種苗会社から毎回タネを買わなければならないという「種苗会社頼み」の状態は、タネの高騰や供給停止などにより「持続可能な農業」が脅かされて食糧の供給ができなくなってしまう危険性を孕んでいると考えています。スーパーの野菜のほとんどがF1の野菜になった今だからこそ、古くから守られてきた「固定種」のタネを受け継ぎ、後世に生きる人たちが飢えることのないようにと考え、当農園では固定種の野菜をメインに育てるようにしています。
小さい農家なのにそんな大それたことをと思われるかもしれませんが、小規模農家だからこそ固定種が向いているともいえます。F1は均一の野菜が育つため、機械化や流通に向いていますが、固定種は個性豊かなバラバラの野菜が育ちますので、手作業で地産地消がメインの小規模農家だから育てられるのだと思います。もっと言えば、固定種のタネを守っていくのは小規模農家のミッションではないかとも考えています。
第二に、当農園では農薬・化学肥料を使いませんので、農薬や化学肥料がなかった時代から育てられてきた固定種は比較的育てやすいということ。
第三に、主観的で恐縮ですが、自分がワクワクするからという理由です。日本各地、世界各地で食べられてきた伝統的な野菜のタネを入手し、自分の手で育ててみる、食べてみる、美味しかった時の嬉しさはひとしおです。土質や環境が違うのでなかなかうまく育てられないことも多いですが、タネ採りを繰り返して栽培していくと、その土地に馴染んだ野菜になっていくと言われています。収穫して食べて終わりじゃなく、育てたものから良いものを選抜してタネ採りをするということを何代にも渡って繰り返し、より良い野菜になったものをお客さまに提供すると考えると、農家としてとてもやりがいを感じられます。
このような理由で、当農園では固定種野菜をメインとしております。
○一部はF1も育てています
ただ、固定種しか育てないということではなく、中にはF1も育てています。選ぶ基準は、味が良いものや異常気象に強いものです。
例えば、ミニトマトの「アイコ」シリーズ、コカブの「あやめ雪」、カボチャの「ブラックのジョー」は、美味しいです。こういうのは取り入れるようにしており、今後も美味しそうな品種が登場すれば育ててみたいと思っています。
また、昨今は気候が極端になってきています。野菜を全滅させてしまうと農業として成り立たないため、リスク分散という意味合いで極端な気候に強いF1も部分的に育てています。例えば、極めて寒さに強いというハクサイの「冬月90」などです。
○固定種でもタネ採りをしないのもあります
交雑しやすくてタネ採りが難しいアブラナ科の野菜は、固定種でもタネ採りはせず、毎回タネを購入しています。
また、最近は固定種でも品種登録されている(または出願中)のものが増えてきており、このようなものはもちろんタネ採りはいたしません(黄カブの「味こがね」や白ネギの「SUKIYAKI」等)
3.使いやすい野菜を育てています
○固定種でも現代の人の舌に合うものを
主に固定種を育てている当農園ですが、「昔ながらの野菜ってクセが強かったり甘味が薄くて苦手」という声も聞きます。
固定種の野菜は野菜が持つ本来の味わいがしますので、それが美味しいという方もいらっしゃれば、ちょっと苦手、という方もいらっしゃいます。当農園では、なるべく、美味しい、食べやすい、という品種を選ぶようにしています。
例を挙げると、冒頭の写真のトマト。「スノーホワイト」というヨーロッパで昔から育てられてきた固定種の白いミニトマトですが、とても甘くて美味しいです。なぜ日本で普及していないのか不思議なくらいです。
また、「真黒ナス」は、購入した際の種の商品説明に「交配種よりも皮が柔らかく格段に美味しい」と記載されており、実際、本当に記載されていた通りでしたので、来年からはもっと数を増やして育てようと考えています。
下の写真は、フランスで古くから食べられているjaune du doubsという黄色のニンジンです。これはなかなかワイルドな味がして、私は好きですが、好き嫌いが分かれるかもしれません。こういうものは「ワイルドな味がします」等とお伝えして販売しようと考えています。
もちろん、同じタネを使っていても育て方によって美味しさが全然違ってきますので、美味しく育てられるように精進して参ります。
○珍しい野菜は極力避けて日常的に使えるものを
昨今は、海外で育てられている珍しいタネも、ネット通販によって比較的簡単に入手できるようになりました。
珍しい野菜のタネを見かけるとつい好奇心が疼いて育ててみたくなるところですが、珍しい野菜は「どうやって食べたらいいか分からず結局腐らせてしまった」という人もいます。(ずばり、私の母のことです。)
当農園では「どうやって食べたら良いか分からない」というような野菜は極力避けて、日常的に使っていただきやすい野菜を育てるようにしています。
ただ、せっかくなので、珍しくてなかなかスーパーでは手に入らないけれども料理にも使いやすくて美味しい、と私が思うものは育てています。例えば、下の写真のナスビ「ヴィオレッタ・ディ・フィレンツェ」です。これはイタリアの固定種のナスビですが、輪切りにしてフライパンで焼くだけでトロトロの絶品になります。
どういう野菜を育てたら喜んでいただけるか、就農2年目でまだまだ悩ましいところです。これからもいろいろな野菜を育ててみて、美味しくて調理しやすいものを探して参ります。
4.メジャーなハーブ類を今後ラインナップする予定
たくさんは要らないけれど、料理にちょっとだけ使いたい、というハーブ類を今後取り揃える予定です。例えば以下のものです。
イタリアンパセリ、ローズマリー、ディル、オレガノ、スイートマジョラム、三つ葉、イングリッシュミント、タイム、レモンタイム、セージ、バジル(季節による)等
農園に直接買いに来てくださった方には、お好みのハーブを少しですがお分けしますので、お声がけください。2022年10月現在、ローズマリーとイングリッシュミントは少しですがございます。
当農園は、ビニールハウスがなく全て露地栽培ですので、季節のものしかご用意することができません。今現在どのような野菜をご提供できるかは、追って当サイトにて記載していくつもりです。
農園の詳しい場所は、当サイトには搭載しておリません。お越しいただく際は、お問い合わせフォームかメールにてご連絡くださいませ。
○お問合せフォーム
https://narinarifarm-sakai.com/contact/
○メールアドレス
mail@narinarifarm-sakai.com